“ルヴィが生きてきた11年の歴史の最後の大きなお役目として、改めて食の大切さを伝えたい”
鈴木 ルヴィちゃん(享年11歳 ゴールデンレトリバー 女の子)
今年の1月23日、11歳の天寿を全うして旅立ったルヴィちゃん。
3年前、8歳で子宮内膜炎を患った時の体験を『お客様体験記』でも紹介させていただきました。
ところがその際の検査で、先天的に腎臓がひとつしか働いていない体であることが発覚。
それでも周りが驚くほど元気で過ごしていた彼女ですが、昨年の秋、突然の病に倒れました。
病と闘いながらも精一杯生き抜き、ご家族に笑顔と安らぎを運び続けたルヴィちゃん。
鈴木さんは、“ルヴィが生きてきた11年の歴史の最後の大きなお役目として、改めて食の大切さを伝えたい”と、今回もう一度ご応募くださいました。
1歳半からビッグウッドの食事を始めたルヴィは、それまで抱えていた皮膚のトラブルも自分の力で克服し、地域のわんわんパトロールのリーダーとして活躍するなど日々元気に過ごしておりました。
この子が普通の体ではないとわかったのは、3年前、子宮内膜炎を患った時のことです。
術前の内視鏡検査で、生まれつきの臓器奇形が発覚しました。
ふたつの腎臓のうちひとつが、1cmあるかないかの大きさでほとんど成長しておらず、腎臓としての機能を果たせない状態だったのです。
そんな体のまま、ルヴィは8年間を過ごしてきたのだと認識させられました。
皮膚のトラブルや子宮内膜炎を起こしても無理はない・・・・ショックを受けた私たちでしたが、術後のルヴィの回復ぶりは驚くべきものでした。
腫れあがって1kg大にまでなっていた子宮を取り除く大手術だったというのにすぐに元気と食欲を取り戻して、あっという間にいつもと変わりない、元気な生活に戻ることができたのです。
何事もなかったかのようにまた普通の生活が始まったわけですが、それからはますます健康に留意して血液検査では必ず腎臓、肝臓もチェックし、小さな変化も見逃さないようにしていました。
しかし不思議なことに数値はずっと正常なままで時をすごし、11歳を迎えた夏も相変わらず川泳ぎを楽しんだりと夏を満喫していました。
異変が起きたのは、その年の11月、亡くなる2ヶ月前のこと。
それまで普通に階段を上ったり、車に飛び乗ったりしていたのが、それらの動作を急に嫌がるようになりました。
元気で食欲旺盛なことには変わりなかったため年のせいかと思っていましたが、ある日突然、後ろ脚に電気が走ったようにビリビリと震え出しました。
ちょうど定期検診の日だったため、とりあえず連れて行って触診をしてもらいましたが、足腰には特に異常は見つかりませんとのこと。
ところが帰宅した後、ガタッと元気をなくして、だるそうに横になってしまいました。
食欲もなく、かなり体調が悪そうだったので往診をしていただきました。熱を測るとなんと40度以上の高熱。血液検査では、甲状腺の数値がかなり悪くなっていました。
病院の診立ては甲状腺ホルモンの問題か、あるいは関節炎か、ということでしたが、レントゲンでは関節の異常はわかりません。
確たる証拠が得られないまま、甲状腺ホルモンの治療としてステロイド剤の投薬を促されました。
しかし原因がはっきりしないままでのステロイド投薬にはためらいがあり、頂いた薬も一度与えたきりで後は黙って飲ませずにいました。
結局、甲状腺の問題は関係していないことが後になってわかりました。
高熱は続き相変わらず原因はわからないままでしたが、解熱剤が効けばなんとか少し楽になり食欲は回復するようでした。
ルヴィは一度楽になるとそれまで食べられなかった分も必死に、ガツガツとお腹につめこんでいました。
高熱のため食事もろくに取れない状態が続いていたため、体の全ての細胞が飢えているような状態でした。
熱がさがり食事ができるようになったときの旺盛な食欲は、それでもなんとか病気と闘おうとしているかのようで、そんなルヴィの姿もかわいそうでなりません。
なんとか高熱の原因をつきとめようと、日本で一番技術が進んでいるという大学病院へお世話になることにしました。
MRIをとるにしても麻酔を打たなければならないわけで、ルヴィの年齢と今の体の状態を考えるととても心配で、検査もなかなか思うようにいきません。
関節液を採取するという難しい検査を行って初めて、重度の関節炎を起こしているとわかりました。
通常は透明であるはずの関節液が全て白くにごって膿みが出ており、その炎症から高熱が出ていたのです。
このまま痛みで歩けない状態が続けばすぐに寝たきりになってしまうということで、やむなくステロイド剤で痛みをコントロールしながら少しずつでも歩かせていくことになりました。
しかし投薬治療を始めて1週間が経った頃、ルヴィは突然急変したのです。
ひどい貧血を起こして呼吸が苦しく、まるで全力疾走した後のようなハアハアという激しい息づかいが1日中続いています。
急遽輸血入院となり、点滴も施されて一旦は回復し退院できましたが、またすぐに貧血状態になり、病院へ戻ることになりました。
しかしルヴィのたったひとつの腎臓は、この時点でもう限界にきていたのかもしれません。
排尿ができず腹部は腫れあがり、点滴をしたあとは肺水腫のように胸にも水がどんどんたまり、そのために、35.7kgの体重は一晩で38kgにまでなりました。
そんな状態では点滴も出来ず、もう一度検査をしようとしていた矢先、胸に溜まった水が逆流して心臓を圧迫、心停止を起こし、13人もの研修医たちの懸命な蘇生措置にもかかわらず、私達の目の前で力の限りがんばって、ついに力尽きてしまいました。
あまりにも急なことで私たちもわけがわからないままでしたので、ルヴィの体がいったいどうなっていたのか知りたいと、組織病理解剖検査をお願いしました。
そして2ヵ月後に出た検査結果は驚くべき内容でした。生前の検査では発覚しませんでしたが、ルヴィは糸球体腎炎に冒されていたのです。
腎臓の奇形があるため病院側も特に注意して、亡くなる直前まで超音波検査や詳しい血液検査など出来る限りチェックしてくださっていましたが、それらの検査では何ら異常はなく、ひとつだけ働いている腎臓自体の形は正常であったため、それ以上の追求は施されず、ひどい関節炎を抑えるためにステロイド剤の投与を行っていました。
もちろんこのような検査で全てが分かるわけではありませんが、組織解剖で初めて、ルヴィの腎臓がぎりぎりの状態で頑張っていたことが判明し、その事実に病院側も愕然としてしまったようでした。
重症な関節炎と糸球体腎炎が重なる場合、人間で言うところの膠原病となって免疫機能が正常に働けなくなっていることが多く、ルヴィも高齢で起きてしまったこの病とステロイド剤の投与によって、最も怖い合併症を起こし、力尽きたのだとようやく解ったのでした。
人にとても気を遣う子だけに、痛みがこらえきれなくなるまで私たちにそんな様子ひとつ見せなかったものの、関節の痛みはもっと早くからあったことでしょう。その状況に気づいてやれなかったことが今も悔やまれます。
痛みをあまり表に出さないとしても、普段から熱を測ることを習慣づけてルヴィの平熱を把握しておけば、もっと早く病気の予兆を発見してあげられたかもしれません。
奇形を抱えていたにもかかわらず、ルヴィの腎臓と肝臓がとてもきれいであったことに、病院の先生方も驚いていました。
これは本当に、これまでの“食”の賜物だと実感しています。
皮膚のトラブルも薬に頼ることなく解決し、子宮内膜炎を患った時も、驚くべき回復の早さを見せてくれたこと。
子宮内膜炎の手術の後はさすがに顔周りにちらほら白髪がのぞくようになったものの、容色は若い頃のままで、いつもキラキラの金色の被毛が輝き、歯石ひとつないきれいな歯で皆に褒められていたこと。
昨年の猛暑の中でもけろりとして川遊びを楽しみ、わんわんパトロールの先陣を切って歩いていたこと。
たったひとつの腎臓が11年間休みなく働き、これだけ元気でいられたのです。
中身のわからないフードを食べていたり、不健康な生活をしていると、火葬にふした骨はボロボロの状態になるといわれますが、ルヴィの遺骨は本当にきれいでした。
火葬場の方も、11歳という年でここまで綺麗にしっかりとした骨がのこっている子は珍しいし、余程きちんとした食事をしていたのでしょうねと言われ、ルヴィは骨になっても親孝行だね、と、主人と思わず遺骨を抱きしめてしまいました。
それもこれも、ビッグウッドとの絆、食事の力があったからこそだと思っています。
人間よりもずっと短いサイクルで生きている犬たちにとって、食事が体にもたらす影響は本当に顕著で、私はルヴィを通してビッグウッドを知り、食の重要性を教えられました。
ルヴィが旅立って半年後の6月、まだまだ悲しみが癒えない中でしたが、ひょんなことから近所のお宅の玄関先に置き去りにされていた犬が我が家の仲間入りをすることになり、“風太朗”と名づけました。これも、ルヴィが運んできてくれた縁なのかもしれません。
ルヴィが教えてくれたたくさんのことを心に刻みながら、風太朗と私たちの新しい生活が始まりました。
また、ビッグウッドの皆さんにお世話になることを嬉しく思っています。
ルヴィの生涯をともに見守ってくださり、ありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いします。
ビッグウッドでは、「アレルギー、アトピー、眼病、皮膚疾患、関節炎、内臓疾患など、病気の原因は『食』にある」と伝えつづけてきました。
愛犬の食事による闘病体験や、食事を切替えた改善の体験を募集させていただき、直接お客様に取材させていただいております。
取材させていただいた皆さんともに「同じような病気に苦しむワンちゃんの飼い主さんのお力になれるなら・・・」と力強くおっしゃってくださいました。
どんな改善の体験でも結構です。まずはご連絡ください。基本的には、お電話でのインタビューとなります。後日、その内容を当方にて文章化させていただきます。
★体験記の募集については⇒相談室 佐山へ。相談室