*このエッセイは、ビッグウッド代表 大木 政春によるものです。
 「ビッグウッドのフードに対する想いやこだわり」をみなさんにお伝えできたら幸いです。




ドッグフード奮闘記 Vol.1
 「ドッグフードを作るきっかけ」


私が現在のドッグフードに疑問をもち、ドッグフード奮闘記の旅が始まったのは、今から15年前、1987年のことです。

 長年皮膚病に悩まされ関節炎も引き起こし、あげくには、ブラシもかけてあげられないほど皮膚病を悪化させた私の愛犬アトムは、たったの11年で本当の寿命もわからないまま死んでいきました。
そして私は、最後を他人である獣医さんに生命をただ託すだけで彼を失ってしまったことに、ひどく心を痛めていました。

 ドッグフードの調査を始めたのは、最初は、自分自身の愛犬に対する気持ちの償いから、自己満足の世界に進んでいっただけでした。
しかし、調査の結果は、とても信じられないことばかりでした。
幻滅することばかりに直面しました。

 調査は、まず「フードが作られる現場を見ておかなければ」と、各メーカーさんに工場見学のお願いをするところからはじめました。
ところが、私が電話をしたところ、すべてのメーカーさんから断られてしまいました。
 疑問を持ちつつ、仕方がないので原料から調査することに切り替え、調査を進めることにしました。
そこで目のあたりにした物は、屋外に不衛生な状態で油まみれになっている、とても臭い、無造作に山積みされたカスのような物でした。
「これが犬用とはいえ、口に入れるものか…!」と憤りを感じているところに追いうちをかけるように、案内の方は「ウチはまだ良いほうで、普通に出回っている犬用肉は人間用にできない理由のある廃棄肉なんですよ」と言う。
私は、工場見学を断られた理由に初めて気づきました。

 当時の私の仕事は建築屋で、世間はバブルの真最中。私は、仕事も順調で何の不満もなく生活していました。
しかし、突然、私にとって目の前が真っ暗になる程の、このような事件…。
 これが、思い起こせば、私をドッグフード作りの道に進ませるきっかけでした。
          

Vol.2につづく)