*このエッセイは、ビッグウッド代表 大木 政春によるものです。
 「ビッグウッドのフードに対する想いやこだわり」をみなさんにお伝えできたら幸いです。




ドッグフード奮闘記
Vol.25 「ハンナ・クローガーの指導」


そして、驚きと感動に満ち溢れた10日間の充実した授業が終了し、私の作って行ったドッグフードを1つずつ丁寧に見ていただきました。
原料表を商品と一緒に並べ、一つ一つどのような目的の食事かを聞かれ、また、どんな目的のために使用した原料なのかを詳細に一問一答を繰り返しながら、確認していきました。

「この病気を治すためには、この原料ではなくこっちの原料にしなさい!」
「この商品の目的には、このハーブとこのハーブをたしなさい。」
「割合はこのぐらいのパーセントヨ・・・これとこれは省きなさい!」
「この商品とこの商品を二つ組み合わせると完璧ヨ。」
1つずつ個人面談の時に透視で病気を当てられハーブの処方をしていただいた時みたいに、とても淡々と詳細に解りやすくご指導いただきました。
現在の『華』『スパミール』『菜』『療法食』『サプリメント』に至るまで、全てで、34種類にもなるバリエーションを組み立てていただきました。

そして、ハンナが最後にこう言ってくれました。
「ここまで来てよかったわネ、これで貴方は貴方の念願であるペットの生命を救うことが出来るし、守ってあげることもできるわヨ。頑張ってネ!」と。
私は夢なのか.、現実なのか、瞬時にどちらとも解らない心境で即座にお礼の言葉も出せなくなってしまうぐらい動転していました。
このハンナとの出会いは、現在までの生涯を振り返っても、最も魂の鼓動が高鳴る瞬間でした。
そして動転から少し落ち着き始めた頃、思わず失礼なことにハンナにお礼の方法を伺ってしまったのですが、ハンナは微笑みながらやさしい口調で「帰りに教会に寄って気持ちを浄財にして施してくれれば良い。そして、日本に帰って、私の教えたことを誠実に正しく実行してくれることが、私は何より嬉しいことを忘れないで頑張って欲しい」と、言われました。
本当に感動に感動が重なり合い、身体が動けないくらい震え、感謝と感激で胸が一杯になりました。

そして、ハンナから「帰りは少し観光でもする時間はあるの?」と聞かれ、「はい」とうなずくと、「帰りにデトロイトには寄れる?」と聞かれ、これも考える間もなく「はい」と答えると、「私の古い友人に会って帰りなさい!今日私が教えたレシピに合わせて電気的エネルギーを注入する方法を教わるといいわ・・・そしてその友人はアメリカインディアンの動物の治療師だから、今後あなたのよきアドバイザーになってくれると思うわ。今から電話を入れるから・・・」
少し待たされているとハンナが電話をしてくれ「明朝、待っていてくれるそうだから、是非寄りなさい!」と言われ、異国の地での10日間の未知なる研修はあっという間に終了しました。

そしてハンナは私に「インディアンの色彩伝統治療とアロマセラピーを私のレシピに合わせることで世界に類の無い貴方の目指す最高峰の動物の療法食が作れるわ・・・」という言葉を最後に2年後の冬、83歳の生涯を閉じました。
私の魂の恩人、ハンナ・クローガ−に心から敬意を表します。
本当にありがとう!
そして、ハンナ・クローガ−の精神を生涯に渡り守り通すことを誓います。
 
そしてデトロイトの郊外に住むインディアンの獣医師、ワニ−タ先生を訪問しました。
こちらでも更に神秘的かつここち良い出来ことがたくさん待ち構えてくれていました。

(Vol.26は2003年10月にアップします。お楽しみに!)